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- 作者: いがらしみきお
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: コミック
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「これは、私の怖いものではない」と思う。
SOIL(マンガ)やCURE(映画)に共通するものなのだが、
「なんだか解らない他者が、平和な生活、平和な自分を浸食し、奇妙な超常現象が起こり続ける不吉さ」
というものに、恐怖感を持てない。
むしろ、こういう「日常に舞い降りる不吉さ」を描き出す物語に、幾らかの不快感すら感じるんだ。
私が恐怖しているのは、突然襲い来る人間の暴力、何も間違えなかったのに大事な人と会えなくなること、年をとっていくと言うこと。
突然、地球外生命体みたいな「他者」が、人間の中に潜り込んで生活して、それによってある日突然カマイタチみたいなものに襲われ、死んだことに気付かないうちに死んでしまう なんて物語は、全く恐怖ではない。
むしろ、私は、それを望んでいたのではないか。
これを望まない彼らは、どれだけ幸せに生きているというのだろう。
「私は、レールに従って生きて、社会と合わせて生きて、精一杯頑張ったのに、どうして幸せになれないの?本当の私って何なの?この世界に意味とかあるの?人間って汚い生き物だよね」
みたいな物語にイライラする。どうしてだろう。いつからだろう。常に死にたい心地がするなんて、当然のこと過ぎて。
私たちの不安、私たちの恐怖。
それは、リヴァーズエッジの中で河原に打ち棄てられた死体であり、カエル君をぶちのめしたミミズ君であり、終わりのない日常であり、喪失だ。
生きたいように生きていない、本当の自分じゃないから、不満なんじゃない。
不満もないけれど、生きているか死んでいるか解らなくなって、誰とでもすれ違うだけしか出来なくて、喪失し続けてしまうから、孤独。
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- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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映像・音楽は良いし、役者も可愛いんだけど、ストーリーが、冗長で古めかしいイギリス文学ラブストーリーそのままって感じだなぁ。
絵的には「コレは何処でロケしたんだ!」ってくらい綺麗なものもあるが、別にどうということもないシンデレラストーリー。
昨年度、なかなか高い評価を得た作品らしいが、あまりこういうストレートなものは好めない。
「高慢な女性」と言うからには、こんな、古めかしい時代の田舎で『現代の普通くらい』のプライドを持ってる女性なんかよりも、
キングス&クイーンの現代的な高慢さの方が、よっぽど自らに近いんだ。
あれ見たときは、「ああ、確かに、私は、高慢な人間だ」と思ったからね。
- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
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見たのに記録漏れしていたので。
内容的には面白いんだけど、如何せんユダヤ・パレスチナ問題のベースとなる知識が無さ過ぎて理解が困難。
こんな極東の土地では、あまりにユダヤ問題は遠すぎて、積極的に関心を持たなければ、詳しくなることなんて出来ない。
加えて、「世界中に散らばっている民族」たるユダヤ人が近くにいないこの環境では、彼らがどんな思いしてるかなんて理解し得ない。
なんだろう。ユダヤ人であるスピルバーグが撮って、だけれど、かなりのところ中立になっているところとか、興味深い点は多いのだけれど。
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- 出版社/メーカー: アミューズ・ビデオ
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この行き場のない欲望と来たら。
確かに、この手の母親との確執であるとか、それによって屈折した欲望だとか、あるにはあるの知っているのだけれど、それはあまりに秘密にされていたことなので、男の人である監督が知っているということに驚くよ。
妄想に妄想を重ねて、そのくせに実際に起これば拒絶する。何もリアリティを持っていない、自ら自己完結してるくせに屈折した欲望の中で生きてるのなんて、あまりにリアル。屈折した欲望を持ってるという鬱屈を抱えているような気がしているその自意識過剰な感じも。
殴られたいけど、殴られたら痛い。殴られたいって妄想するのは、必ずしも彼女がその自意識で飾り立てているような変態行為だとはいえず、殴られてもまだ殴られたいって言うとちょっと話は変わってくるんだけど、結局彼女は妄想で完結しているだけなのだから、絶対に後者ではないのだよね。
年をとって、心も体も醜く、悪意的な存在である主人公は、もはや劇中で何かの「化け物」的な様相を見せる。
だけれど、それは、完全に他者であり、その異質性が不気味であるような「関係のない」化け物ではなく、嫌悪感を与えつつも、自らがそれに変貌してしまうことを想像してしまうからこそ恐れてしまうような類の、化け物なのだ。
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- 作者: おかざき真里
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「狩りは草食動物相手にやるものよ。
肉食動物同士だと、『戦い』にしかならないでしょう」
そうだけど、肉食動物が好きなの、たぶん。
よくわかんないや。
もう子供ではないし、全部しっかり解ってるけど、みっともない自分が、恥ずかしくって恥ずかしくって。
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途中で驚きのあまり反射的に大声で悲鳴。
わわ、これ、映画館で見ようかと思ってたやつなんだけど、このシーンは、間違いなく映画館であったとしても叫んだよ、私は。。
「え、コレで終わり?」と思ってしまうようなラストだけど、印象深い映画で、突然終わってしまう作品は、逆に印象に残る。
『疚しさ』というものがテーマだ。
そう、なんだろう。確かに私は、何もしていなくても、常にやましい気がする。そうか、そういうことなの、かな。
追記。
色々検索して、ようやく意味がわかる。