ある子供 [DVD]

ある子供 [DVD]

つまらなくはないのだがオチが。。


不良で20歳の主人公(男)に子供が出来る。彼女は18で、二人は愛し合ってる。
ただ、彼は子供というものに対して全く実感が持てない。彼女は、可愛いね名前どうする?って感じですっかり母親の真似事をするのだけど。
で、実感が持てないあまり、いつも盗品をうっぱらったりしてるのと同様に、子供も売ってしまう。
「ほら、金だぜ、こんなに。なあにそんなに気にするな。またすぐ出来るよ」
みたいなことを言ったところ、彼女は失神して、彼を許さない。
彼女が怒ったことに吃驚した彼は、慌てて赤ん坊を取り戻してくるんだけど、やっぱり彼女は彼に怒っている。


彼は悪人ではない。けれど「事の重大さを理解していない」のだ。想像力に欠ける。
彼女が彼に怒りを爆発させてからも、彼は終始「機嫌悪くて参ったな。いつになったら許してくれるんだ」というような態度を取り続ける。
私は、こういう、「事の重大さを理解していなさ」が、とても嫌いだ。
「何をしても最終的には許されると思っている」というのは、究極の幼児性だ。私のことを好きな男の子は、そういう傾向が強かったし(自覚しているけれど、たぶん私がそう誤信させるような甘さを容認する性格なんだろう)、そういうところが気に食わなかった。
だから、彼女が彼を拒絶するのはとても納得がいったし、彼がそれに面食らうのを見てざまあみろともおもった
人は、自分が愛した人に拒絶されたり、自分を愛した人が自分から離れていって初めて「何をしても許してくれるのは親だけだった」って事に気付くのだとは思う。(もちろん私にそういう甘えが無いって言うわけではない。段階的にどうにかしていくものだろう)


しかし最後に、彼女は唐突に彼を許す。私はコレがさっぱりわからなかった。
ネット上の評では「彼が大人になったから」と書かれているが、そんなのは感じられなかったのだが。
結局のところ、彼も彼女も「ある子供」であり、一人では生きていけないということなのかもしれない。
確かに、彼女が一人で子供を育てて生きていくのは、経済的にも何もかも無理だ。
しかしながら、腑に落ちない映画に仕上がってる。