ジェリー デラックス版 [DVD]

ジェリー デラックス版 [DVD]

また、ガス・ヴァン・サント監督。
これで、Gerry・Elephant・LAST DAYSの三部作は見たことになる。


この監督は、黙々と歩いているシーンを後ろから追いかけて撮ることがとても多いのだが、コレはもう凄かった。
何って、今までのは、
Elephantは学生生活の中で歩いているシーンを後ろから撮るとか、
LAST DAYSは不安定すぎて放浪したり逃げ出したりしているブレイク(カート)を後ろから撮るとか、
そういう「何かしてる時に歩いてる」シーンだったんだけど、
これはもう、歩くこと自体がテーマ。
何故って、遭難してるから。大自然の中、遭難して、ただひたすら歩く映画。歩く、歩く、歩く。


2人とも消耗しきって喋らないし、とにかく、無言で、歩く。
背景の自然の美しさ。しかし、歩けども歩けども元の道に出ない。


途中、あまりにも「水」に拘らなさすぎる彼らを見て、「コレはどちらかの意識の中とか、夢オチとか、そういうのかな?」と思ったんだけど、
私がその症状に気付いていなかっただけで、しっかり脱水症状起こしていたらしい。


とにかく歩いているだけなので、眠くて仕方がなかった。
この監督の作品は、大体どれも前半は眠い。眠くて眠くて仕方ない。
けど、最後の10%位で、もの凄く惹きつけるシーンを作るから、何となく見てしまう。
まあ、今回は流石に半分眠りながらになったけど!
でも、期待を裏切らず、最後の10分の展開、そして映像美。雲に飲まれる。


歩き続ける2人の関係性について、最初から何も説明がないのだけれど、
まだ遭難する前にじゃれ合う2人を見た瞬間から、この2人の間にある物は「愛情」と解釈するべきに考えられて、
ゲイのカップルなんだろうという風に、私は見てた。
で、LAST DAYSの方でも、「あれ、これ、監督がゲイなんじゃないかなぁ…」と思ったシーンがあって(なんか、変わった形で、男性の「嫉妬」の描き方をしてた)
今検索かけてみたら、やっぱりそうだったみたいだ。
ああ、なんか、あまり普通の男性の監督が描かないやり方で、不思議な繋がり方を描く人だなぁとは思ったのだが、なるほど。
グッドウィルハンティングとかもこの人だしね。