映画『 ゆれる 』公式サイト


新宿武蔵野館満席。オダギリ効果か。
えー。私は、面白かったと思う。途中で「この映画、超おもしれーな」って思ったくらい面白かった。
人と人の繋がりというテーマももちろんだけれど、裁判なんかのシーンのサスペンス、真相のわからないミステリ要素、全てが上手く使ってある。
この作品の監督が新人というのは驚きだ。今後有名になると思う。

<以下内容>





容姿の鬱屈、田舎の鬱屈
些細な気持ちでした残酷な行為の与える傷
愚かな愚かな「女」(この後、私の人生で、どんなことがあっても、「あの時、あなたについていけば良かった」なんてことを本人に言ってはいけない。自分がつまらない人間なのをそんな風に還元してはいけない。そう思うことは許されるけど、それを本人に言って気をひこうなんて真似は、私が許せない程度に「女」らしく、気持ちが悪い)
猜疑と裏切り
誰かから「奪う」こと、搾取の意味を知れ。


ラストシーンは、バナナフィッシュへのオマージュとかだったら良いな、と個人的には思う(笑)
監督が女だから、ちょっとあり得るかと夢見てしまう。


オダギリの素敵さ、演技力ももちろんなのだが、
香川照之が圧倒的に良い。
追いつめられていく表情。
裁判の最後のシーンでは、古谷実の悪役みたいな、生理的に嫌悪感を抱くほど「悪」性を持った顔をしていたのに、
ラストシーンで見せる、一瞬の憑き物が落ちたような表情たるや。
あれが、全てを受け入れた慈愛の笑みなのか、何もかもを失った空っぽの人間の脱力感なのかは、最後までわからないままなのだ。(そして、それに解釈など必要ない。人は、いつも、そういう風に笑うものだ)