ソラニン 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

ソラニン 2 (2) (ヤングサンデーコミックス)

「いつかビッグになってやるぜ」的な夢をとうとう持つことが出来なかった私には、こんな話は少し辛い。
毎日が、ずっとずっと退屈な日常の繰り返しでしかなくて、だからそれを越えちゃうような自分の力を信じてしまうというのは、解らないではない。
高校一年くらいの時に、(在り来たりな話ではあるのだが)「平坦な戦場、終わり無き日常を生きる」という課題がぶつけられていることに気付き衝撃を受けた記憶が鮮明にある。
だけれど今も、なんら夢も持っていないし、「どういう風になったら、日常を越えられるのか」は解らないままだ。だから、それがある種田君を少し羨望するけれど。


それに触れているだけでワクワクするような大好きで仕方のないもの(趣味とか)って無いな。
思い返してみたけれど、
受験や就活なんかの強制的に勝負がつくゲームの時のワクワク度が3くらい。
凄く面白い本読んでるときが2くらい。
恋愛の一番面白いとこが10くらい。
世界に酔って、飛べるような気がして、決断して、柔らかな毛布と甘い音楽だけ抱えて飛び込んじゃうあの瞬間の陶酔以上のものは、世の中にはないような気がしてる。
でも、それって本当はちょっとつまらない価値観だよね。
こんな有り体な恋愛ジャンキーより、「本当に好きなこと」を持ってる人の方が格好いいとは思う。