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わが悲しき娼婦たちの思い出 (Obra de Garc〓a M〓rquez (2004))
- 作者: ガブリエル・ガルシア=マルケス,木村榮一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/28
- メディア: 単行本
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私は惑乱状態にあって、訳が分からなくなっていた。
そう言う状態になるのを恐れつつ、一方で挑みかかってもいたのだが、そんな中でどうして敗北を受け入れることが出来たのか今もって分からない。
あの頃は流れゆく雲の間をふわふわ漂い、ひょっとしたら自分がどういう人間か分かるかも知れないという虚しい期待を抱いて鏡の前に立ち、自分自身を相手に話し合ったものだった。
酷い錯乱状態に陥っていたので、石や瓶が飛び交う学生デモの際に、<<私は恋狂いしている>>という自分の信念を書き付けたプラカードを持ってデモ隊の先頭に立ちたいという気持ちを必死になって抑え込んだ。
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- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- 発売日: 2006/08/26
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- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
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地元の多摩映画祭の8mm特集で上映。頑張って永山まで行く。会場が、公民館。なんて田舎臭い…。
オリジナル版の闇打つ心臓が観たくて行ったんだけど、満足できる出来。
(06年版の「闇打つ心臓 Heart, beating in the dark」あの頃の私一人では絶対観ないような映画だったけれども、今ではとても印象的な作品だ。こうして、私は、ほんの数ヶ月のうちに、映画を観ることを覚えて、頑張って学び続けている)
ただ、この段階でリメイクされることは想定されていなかったわけであるが、06年版において23年後の伊奈子とリンゴォ(なんて名前なんだ)の「現在」を観てしまった以上、この作品は、「失われた過去」にしか見えない。
当時、日常感を漂わせていたかも知れない8mmのぼやけたような緩めの映像演出は、今ではまるで倉から出してきて埃が積もってるためにこんな映像になるんじゃ無いかって思えてしまう。そのくらいに、時間を感じる。
そこにあるのは、失われた若さ、失われた衝動、失われた身体だ。
あの内藤の子供みたいな顔(あんな男の子の顔なんて、大体は子供みたいだ。子供なのだから)、室井の白い乳房。
当然のように出てくる裸体も、まるでエロティックでは無い。醜悪だというわけでもない。それは、あまりに、現在と断絶しすぎている。
オリジナル版を観ると、彼女らが若さを持っているのに、それを知らないことが悲しい。
06年版を観ると、彼女らはあの若さを持っていた時代を越えて(あるいは置き去りにして?)23年後に立っていて、そこには老いと諦観(すなわち、もの凄い勢いの、あの頃の未来に僕らは立っていないっぷり)が降り積もっているのが、悲しい。忘れてはいけないことをたくさん忘れ、だけれど少し覚えているのが、悲しい。
私は、まだ、オリジナル版の方に近いから、いずれはあの場所に行かなくてはいけない。
でも、本来、この作品は、そんなものを撮った作品では、無かったはずだ。
だけれど、06年版で現実の時間の流れによって補完されたこの物語は、逆転して23年前の素朴な8mm映像の見方も変えてしまう。
犬猫の方は「おいおい、世の中、こんなに性格の悪いオンナノコがいて大丈夫なのかよ…」って思った。。
誰かの好きな男の子を盗りたいって気持ちとか、全然解らんな。
たぶん、オンナノコより男の子の方に関心が向いてるから、眼中にないんだろうなぁ。
でも、風景に何度もデジャヴ。8ミリで現代の街を撮ると、何もかもが「誰かと歩いたことがある、見たことある、どこか」になってしまう。
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- 作者: 小川洋子
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んー。まあまあ?
このまえのやつの方が面白かったね。
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初今村昌平。97年カンヌパルムドール。
味がある日本映画っぽい映画だなぁ。
役所広司は本当に良い役者だと常々思う。
映像的にも、うなぎを見つめてるシーンとか、まだ薄い夜明けの光の中で川釣りする彼を橋で待つ女性とか、鮮烈なカラーではないけれども残る。
アマゾンのレビュー見てたら「浮気した妻を殺して罪の意識が薄いのは、フェミニズムに反する」みたいなのがあってひっくり返りそうになる。
好きな人に、裏切られて悲しいのに、フェミニズムとかないよなぁ。
明らかに、「悪いこと」をしたのに「間違っていた」と思えないことって、たくさんたくさんあるよね。
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初小津。
名作と名高いけれど、昭和28年の作品だから、流石に古っぽくて、教養としては良いけど楽しめはしないだろうなぁ、と思ってたんだけど、大間違い。
そうかぁ、この染み入る感じは、時間を経ても古くならないのか。
広島から東京まで上京するのに、20時間とかかかった時代に、お祖父さんとお祖母さんが子供達に会うために本当に久しぶりに上京してくる話。
主演の笠智衆はとても抑えた演技をするのだけれど、彼が悲しいシーンには悲しくなってしまうのだ。
そう、彼は「悲しい」のを演技で表現しているのではなくて、彼の「悲しみ」は、あまりに私たちに身に覚えがある「悲しみ」過ぎて(昭和28年なのに!)、それに同調して悲しくなっているのだ。
原節子の役柄がとても好きだ。
最近、自分に悲しいことがあったり自分に嬉しいことがあった時よりも、誰かが誰かに優しくされているのを見たときに泣き出してしまいそうになる。
あまりそういうことがあるのを信じていないからだろうか。
とんでもない、の時に、なんだかもうわけがわからないけど私は死ぬほど悲しいよ、って思ったのだ。
私は、私が狡い人間だと思うよ。だから、誰か優しい人間がいることで、悲しくなるのかも知れない。
「いいえぇ」と彼女が何回も言う。
口に出して言ってみる。とても彼女の言うように綺麗には響かない。
原節子の「いいえぇ」と笠智衆の「ありがと」が絶妙すぎて、これを訳して世界中の人が見ていると言うことに違和感を感じるくらいだ。